自宅用の市販の脱毛器の安全性と効果について

家庭用脱毛器といえば昔はカミソリやワックス、電気が思い浮かびますが、現在では医療脱毛で使われているレーザーやIPL(光脱毛)の低出力バージョンが家庭向けに各社が販売しています。この記事では家庭用光脱毛器は効果があるのか?とその安全性について医学論文を参照しながら考察したいと思います。

家庭用脱毛器(光脱毛)の効果

そもそもなんで家庭用脱毛器がここまで進化したのかといえばクリニックでの脱毛のコストと時間の節約のためです。ですが低出力の家庭用脱毛器は効果があるのでしょうか?結論からいうとレーザーでもIPLでも家庭用脱毛器の脱毛効果はあります[3]。特に足の脱毛はワキや腕、股のアンダーヘアよりも脱毛効果が高い部位です[1]。

報告されている家庭用の光脱毛器で脱毛したビフォーとアフターの写真をみてその効果を確認しておきましょう。

家庭用光脱毛器の脱毛写真(左)ビフォー、(右)アフター。Michael H. Gold et al., [4]

このビフォーアフターの脱毛写真をみてもレーザーかIPLの脱毛器は効果があることがわかります。

家庭用脱毛器のリスク

一般にレーザーやIPLは毛のメラニン色素の黒い色に吸収させて熱で焼くという脱毛の仕組みになっています。ですので肌の色が黒ければ黒いほど毛ではなく肌に熱が吸収されてしまうため肌の赤みや痛みがでやすいことになります。肌の色のスケールがあって『スキンフォトタイプ』と呼ばれます。日本人はアジア系ですのでちょうどⅣに相当します。

スキンフォトタイプ File:Influence of pigmentation on skin cancer risk.png Author:John D’Orazio, Stuart Jarrett, Alexandra Amaro-Ortiz and Timothy Scott

日本人もこのスケールでいうと真ん中よりちょっと黒い肌の色なんだなと言うことが分かると思います。ここでもまずは結論から言いますが、スキンフォトタイプがⅣであっても適切なフィルターをセットして波長をコントロールすれば家庭用脱毛器で安全に脱毛できます[1][2]。レーザーやIPLで最も頻繁にみられる副作用は肌に赤みがでることで家庭用脱毛器を使用した人の約25%に現れます[1]。ほかにも家庭用脱毛器の副作用としては浮腫、メラニン色素沈着がありますがまれです。また、よく心配されるのが逆に毛が太く長く成長するのではないか?ということですが、毛が太くなったという報告はありません[3]。

【参考文献】

  1. Effect of a novel low-energy pulsed-light device for home-use hair removal. Alster TS et al., Dermatol Surg. 2009 Mar;35(3):483-9. doi: 10.1111/j.1524-4725.2009.01089.x.
  2. Low-energy intense pulsed light for hair removal at home. Gold MH et al., J Clin Aesthet Dermatol. 2010 Feb;3(2):48-53.
  3. A systematic review of light-based home-use devices for hair removal and considerations on human safety. Thaysen-Petersen D et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 2012 May;26(5):545-53. doi: 10.1111/j.1468-3083.2011.04353.x. Epub 2011 Nov 30.
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