なぜ脱毛施術の前後で日焼けを避けるのか?

レーザーやIPLなどの光脱毛処置を受けたことがある人は脱毛した後は日焼けを避けるようにという指示をもらっているかと思います。なぜ脱毛と紫外線による日焼けが関係あるのでしょうか?興味がわきましたので医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

脱毛処置に伴う刺激とメラニン色素

光脱毛処置は毛だけでなく皮膚にも刺激が加わります。レーザーやIPL脱毛にともなう『熱』の発生やその熱を抑えるための『冷却』はどちらも肌への刺激となるのです。皮膚にこのような刺激が加わると多くの場合炎症が起こりますので皮膚のメラニン色素を作っているメラノサイトが活性化します。分かりやすい例が洗顔後にタオルで顔をゴシゴシこすっていると毛穴周囲のメラニン色素が増え毛穴が目立ってくるという現象です。

肌の色と脱毛後の色素沈着

肌の色でも術後の色素沈着の起きやすさが異なります。レーザーやIPLの光はムダ毛のメラニン色素に吸収させることで毛根に熱ダメージを与えて脱毛するため、肌の黒い人や人種によってこれらの光で皮膚のメラノサイトへのダメージが増える傾向があるのです[2]。

脱毛処置で日焼けを避ける理由

このようにレーザーやIPLは皮膚のメラノサイトにも刺激を与えるため、脱毛にともなって頻繁に発生する問題が術後の炎症性色素沈着です[1]。色素沈着といえば『シミ』ですよね?シミの主な原因は紫外線によるメラノサイトへの刺激が原因ですから脱毛後にはなるべく日光を浴びず日焼けしないように指示されるのです。ただでさえ脱毛処置でメラノサイトに刺激を加えているわけですからね。

ところで日焼けを避けるのは脱毛した後だけでいいのでしょうか?先ほどの考察からメラノサイトに刺激をなるべく与えないことが色素沈着を抑えることになるわけです。したがって、日焼けで肌が黒くなったり紫外線を浴びてメラノサイトに刺激を加えるとそれだけ脱毛処置後の炎症性色素沈着が起こりやすくなるため脱毛後だけでなく脱毛前も日焼けしないようにすべきだと考えられます。

夏だけでなく冬も紫外線が降り注いでいるためメラノサイトに紫外線が届かないよう常に対策をしなければなりませんが、日焼け止めや日傘の活用とともにビタミンE誘導体の塗布も紫外線カットに有効です。

まとめると、脱毛施術はムダ毛だけでなく肌にも熱と冷却刺激を与えるため色素沈着を防ぐため脱毛の前後数か月は紫外線による日焼けを避けた方がよいということです。

【参考文献】

  1. Solar-induced postinflammatory hyperpigmentation after laser hair removal. Hasan AT et al., Dermatol Surg. 1999 Feb;25(2):113-5.
  2. Long-pulsed Nd:YAG laser-assisted hair removal in Fitzpatrick skin types IV-VI. Rao K et al., Lasers Med Sci. 2011 Sep;26(5):623-6. doi: 10.1007/s10103-011-0922-1. Epub 2011 Apr 26.

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