ニキビは思春期に多い肌の悩みです。ホルモンの関係だけでなくニキビ予防にもなる避けるべき食べ物やニキビを悪化させる食べ物を医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。
目次
ニキビの原因
まずニキビの根本的な原因ですが、皮脂分泌が増え皮脂が酸化したりアクネ菌の繁殖による炎症が起こることです。ニキビは顔や背中、胸にできやすいのですが、それらの部位では皮脂腺が大きく多量の皮脂を分泌するにもかかわらず、皮脂を放出するための毛穴が小さいため皮脂が溜まりやすい毛穴の構造をしているためです。
皮脂分泌を増やしてニキビになりやすい食べ物
さて、ニキビになりやすい食べ物を見ていきましょう。大きく3つ①糖質②乳製品③トランス脂肪酸に分けました。
糖質(砂糖やご飯などの”主食”)
甘いミルクチョコレートを食べるとニキビができた記憶がある方も多いと思いますが、糖質摂取で血糖値が上がるときに血糖値を下げようと働くインスリンやIGF-1というホルモンによってニキビがでやすくなります[1]。インスリン/IGF-1のスイッチがオンになるとmTOR(エムトール)という酵素が活性化され肌には『皮脂を作れ』というメッセージが送られニキビが増えます。つまりニキビを抑制する食べ物はこのmTORをいかに活性化させないかが一つのカギを握っているのです。
乳製品
チーズやヨーグルトにはホエイタンパク質中のロイシンやグルタミン酸が含まれています。ロイシンはホエイタンパク質中のBCAA(分岐鎖アミノ酸)であり、筋タンパク合成を促進するため筋トレに活用している方も多いアミノ酸です。またグルタミン酸は体内でビタミンCやビタミンEなどと抗酸化ネットワークを組んでいるグルタチオンの原料ですので活性酸素消去に有効な栄養素です。ですがロイシンやグルタミン酸はmTORを活性化して皮脂の分泌を促しニキビができやすくなります[1]。
さらに、牛乳や乳製品には牛由来のDHT(ジヒドロテストステロン)の前駆体となるホルモンが含まれておりmTORの活性化と炎症性サイトカインの増大でニキビの原因になります[1]。ちなみにDHTはハゲの原因として有名な強力な男性ホルモンでフィナステリドがDHT量を抑制します。ちなみにハゲ予防のために私は毎朝一錠を長年摂取しています。思春期に皮脂分泌が盛んになるのは男性ホルモンが増えたからですのでDHTを減らすと皮脂が減ってニキビ予防になると考えられます。
パルミチン酸/オレイン酸とトランス脂肪酸
ピーナッツなどのナッツ類を大量に食べたり、ポテトや揚げ物を食べたりするとニキビができやすくなります。これはナッツに多く含まれる飽和脂肪酸であるパルミチン酸とポテトフライやマーガリンのように加工・加熱した油の中に含まれる『トランス脂肪酸』がニキビを引き起こすからです。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸を飽和化するために水素添加(水添)する際にも生じます。パルミチン酸やパルミチン酸に構造的に似ているトランス脂肪酸はmTORを活性化して皮脂分泌が増えるためニキビができやすくなります。また、オレイン酸はオリーブオイルに多く含まれている一価不飽和脂肪酸です。これらの食べ物は皮脂中に遊離パルミチン酸やオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)を増やし炎症性サイトカインを分泌させ角質細胞の増殖を引き起こし毛穴の目詰まりの原因となります[1]。
ニキビを改善してくれる栄養素
以下にニキビに効果がある栄養素を挙げます。抗酸化、抗炎症性の栄養素で酸化脂質や炎症を緩和してくれる栄養素です。
- オメガ3脂肪酸
- パントテン酸(ビタミンB5)[2]
- ビタミンB群[5]
- ビタミンC
- レスベラトロール
- ビタミンA、ビタミンD[4]
オメガ3多価不飽和脂肪酸
ニキビを抑える脂肪酸として魚油やクリルオイル、エゴマ油に多いオメガ3多価不飽和脂肪酸があります。
ビタミンB群
ビタミンB群は皮質の分泌を抑える働きがある[5]ためビタミンBを豊富に含む食事をしましょう。豚肉、レバー、ブロッコリー、枝豆、ナッツ類、キャベツやホウレンソウなどの葉物野菜に多く含まれています。
レスベラトロール
レスベラトロールはブドウの皮やピーナッツの皮に多く含まれているポリフェノールです。レスベラトロールもビタミンC誘導体と同く抗酸化作用があることと抗菌作用があり皮膚に塗布してもニキビに効果があります[3]。
【参考文献】
- Linking diet to acne metabolomics, inflammation, and comedogenesis: an update. Bodo C Melnik, Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015; 8: 371–388.
- A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of a Novel Pantothenic Acid-Based Dietary Supplement in Subjects with Mild to Moderate Facial Acne. Michael Yang et al., Dermatol Ther (Heidelb). 2014 Jun; 4(1): 93–101.
- Resveratrol Demonstrates Antimicrobial Effects Against Propionibacterium acnes In Vitro. Taylor EJ et al., Dermatol Ther (Heidelb). 2014 Dec;4(2):249-57.
- Propionibacterium acnes induces an interleukin-17 response in acne vulgaris that is regulated by vitamin A and vitamin D. George W. Agak et al., J Invest Dermatol. 2014 Feb; 134(2): 366–373
- The effect of 2% niacinamide on facial sebum production. Draelos ZD et al., J Cosmet Laser Ther. 2006 Jun;8(2):96-101.
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