糖化(グリケーション)で肌が汚くなるか?

日本人の”主食”である米やうどんなどの糖質の摂取は血糖値を上げるため皮膚や髪の毛の細胞増殖を促進するインスリンを分泌させますが、同時に特に真皮の細胞外マトリックスのコラーゲン繊維などを糖化していきます。活性酸素でもカルボニル化が起こり肌の黄ばみの原因ですが、糖化タンパクも黄ばんでいるため加齢による皮膚の黄ばみの原因の一因となっています。

さて、この記事では糖質摂取で血糖値を下げるインスリンが出るのはいいのですが肌がや抹消血管が糖化することで皮膚が綺麗になるのか医学論文で調べてみます。

糖化すると皮膚にシワを増やし硬く変える

糖化は糖質とタンパク質があると酵素を必要とせず反応(メイラード反応)するため無秩序に起こる反応です。糖化タンパクの一つにフライドポテトやホットケーキなど糖質を強度に加熱するとできる終末糖化産物(AGEs)の一つアクリルアミドがあります。アクリルアミドは炎症を亢進するCOX2という酵素を上皮細胞に増やす[1]ため炎症と活性酸素も増えることになります。さらにMMPというコラーゲン繊維を溶かす物質も増やす[2]ため真皮のコラーゲン繊維量が減ってハリがなくなってシワやたるみが増えることになります。糖化あるいはAGEsで有名な老化作用に架橋(cross-linking)による弾力性の低下があります[3][4]。つまり糖化によるコラーゲン繊維への影響は減らしてハリを失わせるだけでなく皮膚を硬くする皮膚老化作用があるのです。

終末糖化産物(AGEs)は活性酸素を発生させるが微量であれば細胞生存能力が高まる

ところで糖化するとアクリルアミドに代表されるAGEsができるのですがこのAGEsは受容体(RAGE)があり結合することで活性酸素(ROS)を発生させることが知られています[5]。長寿の作用の一つにミトホルミーシスがありますがこれは少量の活性酸素がミトコンドリアに増えると逆に活性酸素耐性がついて長寿になるという仕組みです。AGEsが結合することによる活性酸素の発生も少量だと細胞の生存を促進するけども多量だとアポトーシスが起こり細胞が減るということも示唆されています[5]。つまり糖化による活性酸素の発生が少量であれば細胞が活性酸素耐性を持つため老化しにくくなることが推測されます。

糖化対策のスキンケアや食べ物について

糖質制限をしていても現在の日本では完全に糖質をカットするのは難しく調味料をはじめいたる料理に糖質が使われています。そこで糖質を摂りすぎだと感じているが糖質制限が難しい方のために糖化を抑える食べものと糖化を抑える化粧品を紹介します。

糖化を抑える食材としてハーブのディルやブドウの皮などは比較的簡単にスーパーで手に入る食材ですのでうまく料理に取り入れるといいでしょう。

また、糖化を抑える化粧品としてはビタミンC誘導体やオオバコエキスが有効ですので、ビタミンC配合の美容液や化粧水を購入してエイジングケアをしてみてはいかがでしょうか?

まとめると、糖化で皮膚が黄ばみを帯び、皮膚のコラーゲン繊維は減ってしかも硬くなる。炎症と活性酸素を増やすが、終末糖化産物(AGEs)の受容体の適度なシグナル伝達は細胞生存能力を高めることが示唆されているということです。総合的に考えると皮膚が糖化すると見た目の皮膚の老化現象(シワやごわつき)が増えるため肌は汚く見えると考えられます。

【参考文献】

  1. Acrylamide up-regulates cyclooxygenase-2 expression through the MEK/ERK signaling pathway in mouse epidermal cells. Lim TG et al., Food Chem Toxicol. 2011 Jun;49(6):1249-54. doi: 10.1016/j.fct.2011.03.003. Epub 2011 Mar 6.

  2. Skin aging by glycation: lessons from the reconstructed skin model. Pageon H et al., Clin Chem Lab Med. 2014 Jan 1;52(1):169-74. doi: 10.1515/cclm-2013-0091.

  3. Skin collagen advanced glycation endproducts (AGEs) and the long-term progression of sub-clinical cardiovascular disease in type 1 diabetes. Monnier VM et al., Cardiovasc Diabetol. 2015 Sep 5;14:118. doi: 10.1186/s12933-015-0266-4.

  4. Glycation associated skin autofluorescence and skin elasticity are related to chronological age and body mass index of healthy subjects. Corstjens H et al., Exp Gerontol. 2008 Jul;43(7):663-7. doi: 10.1016/j.exger.2008.01.012. Epub 2008 Feb 9.

  5. RAGE Expression and ROS Generation in Neurons: Differentiation versus Damage. Piras S et al., Oxid Med Cell Longev. 2016;2016:9348651. doi: 10.1155/2016/9348651. Epub 2016 May 25.

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