ビールなどのお酒は少しなら血行を良くしてくれますので酸素や栄養が肌に届けられて肌の老化も抑えられるのではないかと考える人が多いのではないでしょうか？結論から言うとお酒は肌が老化しやすくなります。
お酒は肌の乾燥や痒みを加速する
アルコールの飲みすぎで皮膚に痒みを感じやすくなったり乾燥しやすくなったりする人が増えます[1]。高齢で老化した皮膚はさまざまな物質に対して刺激を感じやすくなっており、化粧品など以前は刺激を感じなかった成分でも痒みや痛みを感じるようになります。また、老化した肌は皮膚バリア機能が低下しており皮膚の水分が減って乾燥します。痒みや乾燥肌など飲酒によって老化した肌に似た症状が出てくるということがわかります。
お酒は肌に炎症を増やす
化粧品にもエタノールが配合されているものもありますが、エタノールには細胞毒性があるため活性酸素と炎症を増やし肌の老化を加速します。大酒のみの顔のイメージは赤ら顔ではないでしょうか？実際、『酒さ』というクモのように毛細血管が拡張する皮膚症状が出ますし頬や鼻などが赤くなって炎症が起きます。
酒さは頭皮や鼻など皮脂の多い部位で起こりやすくフケのように落ちてくる『脂漏性皮膚炎』という症状に似ていることで知られています[2]。
肌に炎症を引き起こす原因といえば皮膚免疫力の低下による黄色ブドウ球菌の繁殖や異物の浸透による炎症です。お酒を飲む人は免疫が低下している[4]ことが知られており免疫細胞（皮膚ならランゲルハンス細胞）がエタノールに暴露されるため免疫力が低下します。
お酒で肌の抗酸化力が減る
お酒を飲む人は日光の紫外線で日焼けしやすく皮膚がんと関係があることがわかっており、お酒を飲む人は抗酸化力が低下し紫外線で活性酸素が増えると活性酸素を消去しきれなくなるからです[3]。肌の細胞を細胞分裂で増やしている幹細胞に活性酸素ダメージを与えると細胞分裂が停止してしまいます。つまりハリがなくなり皺がふえるため皮膚の老化が加速するのです。
ですのでお酒を飲む人は普段から抗酸化作用の高いマルチビタミンや野菜を多く食べ、外出するときには紫外線による肌の老化を抑えるためにビタミンＣ誘導体やビタミンＥ誘導体入りの美容液や化粧水を顔にぬって出かけることも肌の老化を抑えるのに有効と考えられます。
【参考文献】
- Association of Dermatoses with Duration and Quantum of Alohol Intake: A Comparative Cross-sectional Study. Yugal Kishor Sharma et al., Indian J Dermatol. 2017 Mar-Apr; 62(2): 184–190. doi: 10.4103/ijd.IJD_348_16 PMCID: PMC5363143
- 脂漏性皮膚炎 MAYOCLINIC http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/seborrheic-dermatitis/basics/definition/con-20031872
- Alcohol consumption decreases the protection efficiency of the antioxidant network and increases the risk of sunburn in human skin. Darvin ME et al., Skin Pharmacol Physiol. 2013;26(1):45-51. doi: 10.1159/000343908. Epub 2012 Nov 7.
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