肌の主要な保湿成分であるセラミド配合の化粧品が売られていますが、セラミドは『スフィンゴ脂質』という分類の物質で細胞間脂質として角質細胞の間を埋めて保湿しています。今回はスフィンゴ脂質を食べると肌が保湿されて皮膚は綺麗に見えるようになるか興味がわきましたので医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。
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ナマコは海洋性スフィンゴ脂質を多く含んでいる
ナマコには『セレブロシド』というスフィンゴ脂質が多く含まれており、マウスの実験ではセレブロシドを摂取させたマウスの皮膚バリア機能が改善したと報告しています[1]。皮膚バリア機能は老化の指標の一つでもあり皮膚バリア機能が低下すると皮膚内の水分がなくなっていくためカサカサの乾燥肌になります。皮膚バリア機能には複数の仕組みがありますが有名なものに細胞間脂質があります。細胞間脂質は角質の死んだ細胞の間をセラミドなどの脂質が規則正しく層状に重なって水分の蒸発を防いでいる仕組みです。この細胞間脂質を溶かして乾燥肌にする化粧品成分がラウリル硫酸ナトリウムに代表される合成界面活性剤です。合成界面活性剤は水道水中のミネラルで界面活性作用が抜けず細胞間脂質やNMFなど皮膚バリア成分を溶かしていくため皮膚の老化が進むのです。
スフィンゴ脂質の摂取は寿命を短くする可能性がある
ですので合成界面活性剤を使用しないスキンケアとともにナマコなどに含まれるスフィンゴ脂質を摂取することは皮膚バリア機能の回復につながります[1][2]。
ただし、長寿の観点からはスフィンゴ脂質の摂取は寿命を短くする可能性がある[3]ため、皮膚バリア機能を改善したかったらスフィンゴ脂質の摂取で皮膚バリア機能を改善するよりも乾燥肌の原因となっている合成界面活性剤を使用しないライフスタイルに変革することをお勧めします。あるいは分子量が500を超えるため浸透しにくいと考えられますが脂溶性であることを考えると局所使用でセラミドなどのスフィンゴ脂質を塗布してセラミドを補給できる可能性も考えられます。
セラミドを外用で塗布したほうがアンチエイジングなスキンケアになるもう一つの理由として、セラミドを生きた細胞に与えると細胞が老化する[5]ためです。皮膚の最も表層は角質という死んだ細胞でおおわれているためその層にセラミドを補給してあげることで生きた細胞にセラミドを触れさせることなく細胞間脂質にセラミドを補給できると考えられます。
セラミドを増やす方法
糖質制限でセラミドの内因性の合成が高まる
セラミドなどのスフィンゴ脂質は皮膚バリアを回復させるためなんとかセラミドを安全に皮膚に増やしたいものです。糖質制限はmTOR(エムトール)というタンパク質を抑制するためセラミドの合成が皮膚で誘導されるとの報告があります[4]。
ビタミンCを摂取する
ビタミンCはセラミドを増やすのに必要なビタミンですのでビタミンC豊富な野菜を食べたり直接ビタミンC誘導体入りの化粧品を塗って上皮にビタミンCを補給することでセラミドを増やすことができると考えられます。
セラミドが入った保湿液を塗る
先ほども説明しましたがセラミド配合の化粧品を直接肌に塗ることはもっとも単純なセラミドを増やす方法です。
【参考文献】
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