【日光老化】肌の老化は紫外線で加速する

夏になると紫外線量が増えるため日焼けしますよね?日焼けは健康的に見えますが実は年齢以上に肌のエイジング(老化)を加速させています。紫外線は肌のアンチエイジング医学でも有名な老化の原因のひとつです。この記事ではなぜ日光紫外線が肌のハリが衰え皺やシミが増えるのかについて医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

日光老化とは

日光は波長(色)で分けられますが紫外線は400nmまでの波長領域で紫色の光です。もう少し波長が長くなると可視光線となり赤にむかってグラデーションがかかってきます。紫外線、可視光線となりさらに長い波長になると近赤外線(NIR)となっていきます。一般に波長が長いほど皮膚から深く浸透します。紫外線はA,B、Cの3種類ありますが地球上に届ていているのはUVAとUVBだけで、UVCはオゾン層で吸収されてしまって地球上には届きません。UVAは紫外線のなかで最も波長が長く真皮まで浸透するので表皮の細胞だけでなくコラーゲン線維や弾性繊維、あるいはそれらを作っている線維芽細胞、それらの肌細胞を増やしている幹細胞も紫外線によるダメージを受けます。UVBはUVAほど皮膚の深いところまでは届きません。ですが、UVBは細胞のDNAを壊す力が強く細胞の機能低下や細胞分裂の停止、ガン化の恐れがあります。どちらの紫外線も一年中降り注ぎ肌の老化を加速していますので紫外線対策は年中行い、しかもUVA、UVBの両方を防ぐことです。このように紫外線による年齢以上に肌のエイジングを加速させる現象が『日光老化』です

紫外線が肌を老化させるメカニズム

基本的に肌の老化は炎症や活性酸素(ROS)によって加速します。では紫外線はなぜ肌の老化を加速するのでしょうか?それは先ほど述べた紫外線が直接DNAに傷をつけるとともに紫外線浴びると活性酸素(フリーラジカル)が発生し炎症が起こるためです。紫外線を浴びると皮膚は活性酸素を消去しようとするため活性酸素を消去する『SOD』やビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質がどんどん使われていきますが、消去しきれなかった活性酸素が細胞のDNAにダメージを与えて機能の低下を引き起こし、DNAの傷が修復しきれない場合には細胞の自殺(アポトーシス)を起こしたり、永久に細胞分裂が停止したりあるいはDNAの場所が悪ければ癌化したりもします。こうして紫外線自体(UVA、UVB)と活性酸素・炎症によって肌のエイジングが加速するのです。

紫外線を浴びると幹細胞も老化する

特に紫外線の影響で老化に影響があるのが皮膚の細胞を細胞分裂して増やす『幹細胞』です。表皮の幹細胞は基底膜といって表皮と真皮の境目にある膜の上にあり、角質に分化していく幹細胞とメラニン色素を分泌する細胞(メラノサイト)の幹細胞が並んでいます。

皮膚の構造

また、近年、皮膚の幹細胞は毛穴から約1~2mm程度の浅い部位(バルジ領域)にも固まって存在していることが判明しており、皮膚や頭皮につける化粧品に含まれるで細胞毒性のある成分が早期の老化につながるのではないかと懸念されています。分裂を停止した幹細胞は細胞の自殺であるアポトーシスに対する耐性を得てその後も長く生き続けますが、周囲の細胞に炎症や活性酸素をまき散らし、コラーゲン繊維や弾性繊維を壊してしまう性質(SASP)があるため紫外線はなるべく浴びないようにとされているのです。こうして分裂しなくなる幹細胞が増えてくるとターンオーバーが遅れたり、皮膚の厚みが減ってハリが失われ毛穴が目立ったりシワになったり白髪が増えたりして見た目の老化が加速していきます。

紫外線で炎症が起こる

紫外線で皮膚に炎症が起こると血管内から好中球やマクロファージといった『貪食細胞』の活性化が起こり結果として活性酸素が放出されます。さらに好中球は肌の弾力性を維持してハリを保っている弾性繊維を溶かす『エラスターゼ』を放出して弾性繊維を減らします。さらに紫外線によって真皮に弾性繊維が異常に固まってしまう『弾性繊維症』が起きて皮革製品のように硬くなり肌の弾力性が失われてしまいます。コラーゲン繊維に関しても炎症は『MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)』というコラーゲン繊維を切っていく酵素も増やしてしまいますのでますます厚みが失われハリがなくなりしわが増えるのです。このように活性酸素は表皮や真皮の細胞DNAだけでなくすべての成分、タンパク質、脂質、炭水化物を劣化させて機能を低下させ年齢以上に肌の老化を加速します。

紫外線で肌を老化させないために

日傘やフェイスカバーで物理的に紫外線を遮る

紫外線による肌の老化を予防するためにはまず物理的に紫外線を遮り紫外線を浴びないことです。日傘やつばの広い帽子、顔を覆い隠すフェイスカバーの使用がオススメです。

ビタミンC誘導体やビタミンE誘導体入りの美容液を使う

どうしても外出時に紫外線を浴びてしまう場合には、紫外線を浴びる前にさらっとした使いやすいビタミンC誘導体とビタミンE誘導体配合の美容液や化粧水を塗っておくことをおすすめします。ビタミンCやEは抗酸化剤ですがこれを直接そのまま塗ると空気中の酸素で酸化されてしまい逆に肌を老化させるため誘導体の形で肌にぬることが重要です。ビタミンC誘導体は活性酸素を消去したりコラーゲン繊維を増やす作用があるため紫外線対策の化粧品としてぴったりです。さらにビタミンE誘導体も抗酸化作用があり、これは脂溶性、つまり細胞膜の酸化を予防してくれます。ビタミンEはその構造的に紫外線を吸収することができますので紫外線対策の化粧品として最適な成分のひとつです。

外出しない時には紫外線ダメ―ジを回復させる

上記の物理的な紫外線対策をしながらという条件になりますが、MMPを減らし表皮や真皮の厚みを回復する化粧品成分としてはレチノイド(ビタミンA)配合の化粧品が有効です[1]。ただし、レチノイド配合化粧品は刺激性が強く灼熱間や紅斑が出来たりして特に皮膚バリア機能が衰えている人は使えない人も多いので注意が必要です。一方、植物ハーブの『ビデンスピローサ』のエキスにはこのビタミンAに似た肌のアンチエイジング作用が報告されていますので外出しない時には紫外線ダメージを回復する期間だと思ってビデンスピローサエキスが配合された美容液をうまく活用することをおすすめします。

【参考文献】

  1. Ultraviolet radiation and skin aging: roles of reactive oxygen species, inflammation and protease activation, and strategies for prevention of inflammation-induced matrix degradation – a review. Pillai S et al.,Int J Cosmet Sci. 2005 Feb;27(1):17-34. doi: 10.1111/j.1467-2494.2004.00241.x.

理想的な肌のエイジングケアを実践するために、このサイトで主張してきたエイジングケアの医学知識をすべて満たしたオリジナルブランド『オーソブルーム』を開発しました。合成界面活性剤を使わずパラベンなどの合成防腐剤不使用で、合成着色剤も不使用とエイジングケアの基本を満たしながら洗顔や保湿、クレンジング、ハリを得るためのエイジングケア美容液などをラインアップしました。公式サイトはこちら⇒    
『いつまでも顔やスマイルを健康で美しく保ってほしい』年齢以上の老化をしたくない人のために老化の医学に基づいて開発した無添加エイジングケア基礎化粧品『オーソブルーム™』公式サイト

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする