香水や消臭剤は肌のエイジング(老化)に影響があるの?

化粧品や生活用品には見慣れない成分が入っていることがあります。その一つ香水や芳香剤に溶剤として含まれているフタル酸エステルは肌のエイジング(老化)を加速するような副作用がないのか興味がわきましたので医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

フタル酸エステルは皮膚から吸収される

フタル酸エステルにはいくつかの化合物がありどれも皮膚から吸収されるほど十分小さな分子量であることがわかります。例えばフタル酸ジエステルの分子量は約222、フタル酸ジ-n-ブチルは約278で脂溶性の性質もあります。つまりフタル酸エステルは皮膚から体内に吸収される合成成分だということがわかります[2]。

フタル酸エステルは皮膚から吸収されて体内で代謝されて尿から排泄されます。実際、ある報告では香水を使用している女性は香水を使用していない女性と比べて約3倍多くのフタル酸代謝物が尿に含まれていることを示しています[1]。

フタル酸エステルは内分泌かく乱物質

フタル酸エステルは環境ホルモン作用があるため妊娠中や乳児の発育への影響が懸念されています。フタル酸エステルに多く暴露されるほど男児の生殖器の発達に障害がおこることも知られています[1]。化粧品に含まれる環境ホルモンといえばパラベンやトリクロサンなどの防腐剤・抗菌剤ですがこれらも同様に皮膚から侵入し尿から排泄されます。

フタル酸エステルは活性酸素を増やす

合成防腐剤も尿から排泄されるパラベンの量が多い人ほど体内の活性酸素と炎症レベルが高かいのですが、フタル酸エステルも尿中のフタル酸代謝物が多いほど活性酸素レベルが高く細胞のDNAの傷が増えていることも報告されています[3]。活性酸素は老化の原因ですのでなるべく香水や消臭剤でフタル酸が配合されているものは日常生活から減らした方が肌のエイジングケアになると考えられます。

フタル酸エステルを含む化粧品

先ほど述べたように、フタル酸エステルは香水や消臭剤、マニキュアやヘアスプレーに多く含まれているため日本では化粧品であれば箱や容器の裏面に成分一覧が表示されているはずです。海外では化粧品の法律が異なるためフタル酸エステルが表示されていないこともあります。

【参考文献】

  1. Women’s exposure to phthalates in relation to use of personal care products. Parlett LE et al., J Expo Sci Environ Epidemiol. 2013 Mar;23(2):197-206. doi: 10.1038/jes.2012.105. Epub 2012 Nov 21.

  2. Transdermal Uptake of Diethyl Phthalate and Di(n-butyl) Phthalate Directly from Air: Experimental Verification. Weschler CJ et al., Environ Health Perspect. 2015 Oct;123(10):928-34. doi: 10.1289/ehp.1409151. Epub 2015 Apr 7.

  3. Urinary metabolites of di(2-ethylhexyl) phthalate relation to sperm motility, reactive oxygenspecies generation, and apoptosis in polyvinyl chloride workers. Huang LP et al., Int Arch Occup Environ Health. 2014 Aug;87(6):635-46. doi: 10.1007/s00420-013-0905-6. Epub 2013 Aug 31.

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