糖化だけでなく酸化によるカルボニル化も皮膚が黄ばむ原因

加齢とともに肌が黄色く黄ばんできますが最も知られた原因の一つは『糖化(グリケーション)』によるメイラード反応が起こるため黄ばんでくるというものです。この反応は酵素を必要とせず無秩序にコラーゲン繊維や弾性繊維などのタンパク質と反応していき、パンケーキのような茶色に変えていきます。糖化以外にも肌が黄色くなるメカニズム『カルボニル化』は酸化で発生し糖化より肌を黄色く変色する作用が強いことで知られています。今回はこのカルボニル化について医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

酸化すると乾燥肌や炎症が発生する

カルボニル化は酸化によって起こり化学式は以下のような構造が作られていく反応です。

カルボニル基 File:Carbonyl-general.png, Author:Ben Mills

カルボニル基ができるのは酸化が原因と言いましたが最も酸化する反応性が高いのが活性酸素(ROS)ですので、老化の原因である活性酸素が出る原因をなるべく避けることでカルボニル化の対策にもなると考えられます。ちなみに糖化も酸化が進むと糖化も加速し、糖化が進むと酸化も加速するため活性酸素をコントロールすることはカルボニル化だけでなく糖化(メイラード反応)も抑えることにもなります角質タンパクの酸化はさらに乾燥肌やアトピーなど炎症性の皮膚障害の発生に関係していますので、乾燥して年齢以上に老化しない肌になるためにも活性酸素の発生を避けた方がいいことになります[2]。

大気の微粒子と紫外線による活性酸素

皮膚を酸化させる”環境ストレス”は肌のエイジングを加速させます。環境ストレスにはさまざまありますが、例えば車からの排気ガスに含まれる酸化鉄や窒素酸化物などの微粒子は紫外線のエネルギーを吸収して活性酸素(ROS)を発生させることが知られています。

紫外線だけでも皮膚にROSが増えて老化していくのに特に都市部では大気中の微粒子でもROSが発生する環境に囲まれて私たちは暮らしているのです。メイクや酸化した皮脂も一日の終わりには洗い流さないと炎症ならびにROSを発生させる酸化脂質となってしまうため皮膚を守りながらクレンジングや洗顔をすることで皮膚の酸化対策のスキンケアと考えられます。

糖化よりカルボニル化の方が黄ばみが強い

さて、肌が加齢とともに黄ばむのは老化してくると角質層が透明になってくるため下地である真皮の色が透けやすくなってくるからです。活性酸素でタンパク質が酸化されるカルボニル化のほうが糖化より黄ばみが強いことが報告されており[1]、日光や大気の微粒子と接触しにくいお尻や腕の内側の皮膚は酸化の影響を受けにくいためカルボニル化で黄ばんでおらず、顔面の皮膚など大気に暴露されている皮膚のほうが黄ばみやすいのです。

【参考文献】

  1. Dermal carbonyl modification is related to the yellowish color change of photo-aged Japanese facial skin. Ogura Y et al., J Dermatol Sci. 2011 Oct;64(1):45-52. doi: 10.1016/j.jdermsci.2011.06.015. Epub 2011 Jul 12.

  2. Increased carbonyl protein level in the stratum corneum of inflammatory skin disorders: A non-invasive approach. Iwai I et al., J Dermatol. 2010 Aug;37(8):693-8. doi: 10.1111/j.1346-8138.2010.00867.x.

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