活性酸素は肌の老化の原因だった。エイジングケアは抗酸化から始めよう

ストレス紫外線で活性酸素が出て肌が老化する』と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。皮膚の老化症状にはハリの低下やたるみ顔の黄ばみシミしわなどの見た目の肌の変化として現れてきます。これらの老化の一番大きな原因が活性酸素です。この記事では活性酸素と老化の関係を医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

活性酸素はDNAに傷をつけ老化の原因となる

老化してくると肌でも活性酸素を消去する『抗酸化力』が低下してくるため活性酸素による細胞のDNAダメージがどうしても増えてきます。金属が酸化すると錆びてボロボロになっていくのに似ていますので活性酸素による酸化ダメージは”サビ”と表現されることもあります。活性酸素は細胞の設計図である『DNA』をサビさせていきます。ある研究では毎日、一つの細胞に活性酸素によるDNAダメージが5000程度は起きるという報告もあるくらい大量に活性酸素で傷ができ修復が繰り返されているのです[1]。

活性酸素から幹細胞を守ろう

『加齢による老化』と『紫外線』が最も活性酸素を肌に増やす原因です。DNAに傷がついていくと機能が低下していきますが、DNAが修復しきれないほどダメージを受けた場合には細胞が自殺したりガン化します。意外かもしれませんがガン細胞は細胞老化のひとつの形態なのです。活性酸素によるDNAダメージで老化に最も影響するタイプの細胞があります。それが『幹細胞』です。上皮幹細胞は表皮と真皮を分けている『基底膜』上に並んでいますし『バルジ領域』という毛穴から浅い部位にも幹細胞があります。さらにコラーゲン繊維を作る細胞がいる真皮にも幹細胞がいますし皮下組織にもいます。

皮膚の構造

外に出れば紫外線や大気中のタバコの煙や排気ガスなどが肌に活性酸素を発生させます。肌はそれらの活性酸素による悪影響を受けやすいため皮膚の幹細胞は活性酸素に対する抵抗性が高いという特徴があります。しかし活性酸素が増えるような生活習慣を長年送っていると幹細胞にもDNAにダメージが残って老化していきます。

なぜエイジングケアをする上で幹細胞を活性酸素から守らなければならないのかと言うと幹細胞は上皮や真皮を細胞分裂して増やしている細胞だからです。この幹細胞が活性酸素でDNAに傷がついて分裂が停止し老化細胞化してしまうと皮膚のターンオーバーが遅くなり周囲に炎症を起こして老化を促進するようになるからです[2]。細胞は分裂しなくなって(老化して)も老化細胞として長い間生き続けます。ところが、分裂をやめた老化細胞は健康な細胞と異なり炎症性サイトカインを分泌し周囲に慢性炎症を引き起こしコラーゲン繊維を溶かすMMPなどのプロテアーゼを放出するようになり、この現象を『SASP』現象と言い老化が加速する原因の一つです。

ミトコンドリアも活性酸素で老化する

活性酸素による幹細胞のDNAにはミトコンドリアのDNA(mDNA)も含まれます。ミトコンドリアは酸素を使って細胞のエネルギーを発生させる装置ですので最も活性酸素の影響を受けやすく、ミトコンドリアに活性酸素が増えていくと細胞分裂やコラーゲン繊維など肌の若さを保つために必要なものを行うエネルギーが減っていきます。老化の原因にはいくつかの説がありますが『活性酸素説』とともに『ミトコンドリア老化説』があるぐらいミトコンドリアは老化と深くかかわっています。そのミトコンドリアのDNAに活性酸素ダメージがあると機能が低下するためエネルギー産生が減ったり活性酸素を余計に放出するようになるため肌の老化が進みます。ただ、最近の研究ではミトコンドリア内の適度な活性酸素は活性酸素耐性を付けさせる『ミトホルミーシス』を発現することも報告されています[3]。

コラーゲン繊維も活性酸素で減る

また活性酸素が増えると真皮でコラーゲン繊維を作っている『線維芽細胞』もコラーゲン繊維を作らなくって行きますし、『MMP』というコラーゲン繊維を溶かす酵素を発生させてシワやたるみの原因となります[1]。MMPはコラーゲン繊維だけでなくハリを維持したるまないよう弾力を保ってくれている弾性繊維も減らしますし、さらに活性酸素から炎症が起こると好中球が分泌するエラスターゼによっても弾性繊維が減っていきます。

活性酸素から守る化粧品・美容液

このように余計な活性酸素を消去することが肌の老化対策になることがわかります。つまり肌の老化を防止したければ活性酸素を消去する作用がある化粧品や美容液を使うことが有効なエイジングケアになります。日常的な使用ではビタミンC誘導体とビタミンE誘導体入り美容液が強力な抗酸化力がありますのでおすすめです。ただし、多くの化粧品に配合されている合成防腐剤や合成界面活性剤は皮膚から浸透し生きた細胞は毒性があり活性酸素発生を増やしエイジングを加速するためこれらが無添加の美容液を使うよう注意すべきです。

また、肌の幹細胞は基底膜にもあると言いましたが、ビタミンC誘導体の一つ『APPS』は浸透性が高いタイプのビタミンC誘導体で基底膜付近まで浸透します。そこでフォスファターゼなどの酵素でビタミンCを徐々に放出してビタミンCの濃度を飽和し活性酸素による老化から肌を守ります。例えば、肌の幹細胞を守り正常なターンオーバーを維持したり、シミを予防し上皮細胞増殖によるハリをも与えるのです。さらに皮膚内のビタミンC濃度を飽和させることは真皮のコラーゲン繊維を増やすことにつながると考えられハリの回復も期待できるのではないかと考えられます。

【参考文献】

  1. Ultraviolet Radiation-Induced Skin Aging: The Role of DNA Damage and Oxidative Stress in Epidermal Stem Cell Damage Mediated Skin Aging. Panich U et al., Stem Cells Int. 2016;2016:7370642. doi: 10.1155/2016/7370642. Epub 2016 Apr 11.

  2. MTOR regulates the pro-tumorigenic senescence-associated secretory phenotype by promoting IL1A translation. Laberge RM et al., Nat Cell Biol. 2015 Aug;17(8):1049-61. doi: 10.1038/ncb3195. Epub 2015 Jul 6.

  3. Feedback regulation via AMPK and HIF-1 mediates ROS-dependent longevity in Caenorhabditis elegans. Hwang AB et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Oct 21;111(42):E4458-67. doi: 10.1073/pnas.1411199111. Epub 2014 Oct 6.

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