年を取ると肌のかゆみが増えるのはなぜ?

老化とともに肌は敏感肌になって痒みが出たり、いままで使っていた洗顔剤やクレンジング剤にも刺激を感じるようになってきます。同様に皮膚の老化が進んでいる人は30代40代でも基礎化粧品に刺激を感じるようになります。この記事では老化してくると痒みを感じやすくなる原因を医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

角質バリア機能の低下で痒みが生じやすい

角質は表皮の一番上を覆っている死んだ細胞で保湿成分を蓄えて水分が蒸発しないように保持しながら細菌や異物が侵入してくるのを防ぐバリアの役割があります。老化してくるとこの角質バリアに必要なセラミドなどの脂質が作られなくなってくるため皮膚の水分が蒸発して出て行ってしまうため乾燥してきます[2]。

加齢とともに角質バリアが弱ってきている[4]ということは異物による炎症が起こり痒みを引き起こすことになります。若くても合成界面活性剤でできたクレンジング剤やシャンプー、あるいは乳化化粧品を使っていると角質バリアが溶けだされて壊れていき早期に老化様の皮膚になるため乾燥やかゆみを引き起こし、いままで大丈夫だった化粧品にも刺激を感じる敏感肌になっていきます。つまり、合成界面活性剤でクレンジングや洗顔をすることは老化を加速することと同じですのでなるべく石けんベースの洗剤に切り替えることをおすすめします。その理由は天然の界面活性剤である石鹸は水道水中のミネラルで界面活性作用が不活化されるためメイクなどの汚れだけを洗い流せる古くて新しいエイジングケア素材だからです。

老化した肌は痒みを感じる受容体が増えている

皮膚の痒みを感じるのは『TRPV1』と呼ばれる痒みを感じる感覚神経のスイッチが上皮細胞の細胞膜にあるからです。このTRPV1経路による痒みの発現は唐辛子に含まれている辛み成分のカプサイシンやビタミンA誘導体のレチノール合成防腐剤のフェノキシエタノールなどとの関連が指摘されている敏感肌のしくみです。紫外線を浴びて年齢以上に肌を老化させてもTRPV1が多くなるため[3]老化した肌は痒みを感じやすいのもわかります。老化した肌は皮膚バリアが衰え刺激を感じやすくなっているため皮膚バリアを回復させるために保湿が必要です。先ほども述べたように使用感を上げるために乳化させた保湿液は一次的な保湿ができるだけで長年使っていると皮膚バリアが年齢以上に衰えていきますし余計な成分が皮膚から浸透しやすくなるため刺激や痒みを感じるリスクが高まるため注意が必要です。ちなみに乳化剤(界面活性作用があるもの)で乳化させた化粧品は皮膚バリアを低下させて分子量が大きいものも浸透させることができます。昔、『茶のしずく』という皮膚から浸透して小麦アレルギーになった事件がありましたが乳化剤にいろいろ配合するのは避けた方が皮膚は綺麗になることを示唆しています。つまり肌から水分を蒸発するのを防ぎ、足りない保湿成分を補いながら皮膚バリアを低下させない基礎化粧品がエイジングケア保湿液の条件となります。

フェノキシエタノールなどの合成防腐剤で痒みが出やすい

老化した肌の痒み対策は日常のスキンケアを見直すことから始めましょう。年を取ってくると石けんでもかゆみや刺激を感じることがあるため少量を顔に塗り、しかも短時間で洗い流すことが必要になってきます。老化した肌では使うメイクも短時間で洗い流せるようメイクも薄く流しやすいタイプのものにしていかなければならないのです。

基礎化粧品も無添加でシンプルなものを使うべきです。敏感肌や老化した肌ではさらにパラベンなどの防腐剤に対しても痒みを感じることが増えます[1]。パラベン同様化粧品によく使われている合成防腐剤のフェノキシエタノールも先ほど述べたTRPV1との関連で痒みを引き起こすことが知られていますので、合成防腐剤も老化した肌では避けたほうが痒みの軽減につながります。さらに乳化剤(特に合成界面活性剤)で乳化された化粧品も皮膚バリアを低下させて様々な異物が入り込みやすくなっていきますので避けた方が刺激が少ないでしょう。つまり、合成界面活性剤や合成防腐剤無添加の化粧品は刺激も少なく敏感肌や老化した肌に優しいと考えられます。

老化した肌は角質バリア機能が低下し水分が蒸発しやすくなっているため皮膚バリア機能の回復を補助するために洗い終わったらすぐにホホバオイルなどの皮膚に優しい保湿剤で保湿しましょう。ホホバオイルに天然保湿成分(NMF)が配合された保湿液は私も使っている保湿液です。ホホバオイルは皮膚の水分を逃がさないようにし、NMFは水分を保持するため肌に潤いを与えてくれます。ホホバオイルの主成分は酸化しにくい飽和脂肪酸である『ワックスエステル』ででできていますので炎症を引き起こしにくく、しかも皮脂の成分でもあり安全性が高く無色透明無臭の綺麗な液体です。ホホバオイルは落ちにくいウォータープルーフのメイク落としにも使うことができるので老化した肌や敏感肌の人がポイントメイクを落とすのにもおすすめです。

あとは老化している肌では皮膚バリアが低下しているため細胞間脂質のセラミドを増やすこともバリア機能の回復に有効です。ビタミンCが豊富な食べるとセラミドが作られていきますので保湿とともに野菜やサプリで補給しましょう。ちなみにセラミドは二重結合をもつスフィンゴ脂質ですのでセラミドを直接肌に塗ると空気中の酸化しやすいためエイジングケアの観点からはあまりおすすめしません。

服用している薬や栄養素による肌の痒み

さらに年を取ってくると生活習慣病になりやすくなるため、さまざまな薬を服用してることがあります。高コレステロール薬のスタチンを服用している場合はかゆみが出やすくなります[1]。また、鉄が不足していたり甲状腺機能異常があることも肌の痒みを引き起こす原因です[1]。

【参考文献 】

  1. Advanced aging skin and itch: addressing an unmet need. Garibyan L et al., Dermatol Ther. 2013 Mar-Apr;26(2):92-103. doi: 10.1111/dth.12029.

  2. Stratum corneum lipids: the effect of ageing and the seasons. Rogers J et al., Arch Dermatol Res. 1996 Nov;288(12):765-70.

  3. The role of TRPV1 channel in aged human skin. Lee YM et al., J Dermatol Sci. 2012 Feb;65(2):81-5. doi: 10.1016/j.jdermsci.2011.11.003. Epub 2011 Nov 18.

  4. Dry skin, barrier function, and irritant contact dermatitis in the elderly. Seyfarth F et al., Clin Dermatol. 2011 Jan-Feb;29(1):31-6. doi: 10.1016/j.clindermatol.2010.07.004.

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