肌のスキンケアはまず保湿とよく言われます。確かに乾燥肌やニキビなどで皮膚バリア機能が壊れていると皮膚内の水分が抜け出ていくために保湿したほうが正常な肌になるだろうと思います。ですが皮膚バリア機能が正常で皮膚が水分で潤っていると艶がでて肌は綺麗に見えるのでしょうか?今回は肌の潤いと美肌の関係を医学論を参照しながら考察してみたいと思います。
皮膚内の水分が多いと肌が綺麗に見える
結論からいうと皮膚が保湿されて潤っていると肌がピンク色になり透明感が生まれます[1]。皮膚を有機溶媒の『アセトン』で処理して皮膚バリア機能を壊した皮膚と保湿液を塗布して潤いを回復した皮膚と比べた実験では、保湿液を塗布した皮膚の方が透明感が高くピンク色の肌であったと結論しています。ちなみにアセトンはネイルので使う除去液として多用されていますのでなるべく触れたり吸ったりしない方がエイジングケアになることでしょう。
合成界面活性剤は皮膚から潤いをなくさせる
皮膚が老化してくると乾燥するのですが、日常生活で最も乾燥肌になる原因と考えらているのがSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)などの合成界面活性剤が入ったクレンジング液やシャンプーで皮膚バリアを壊して皮膚の水分量を減らして乾燥させることです。
水分補給で皮膚に潤いを回復させる
皮膚が乾燥している人は日々水分を補給することで皮膚の水分を回復する[2]ことも報告されていますので皮膚の水分を確保するためにも水分を毎日摂取しましょう。一般的には一日に約2リットルの水を小分けに飲むことが推奨されています。
皮膚バリアを壊す多くの要因
先ほど述べた合成界面活性剤以外で皮膚バリア機能を壊して乾燥と肌の老化を加速するのが日光紫外線と大気中の微粒子(汚染物質)です。
大気汚染物質には自動車の排気ガスや工場からの排煙、煙草の煙には窒素酸化物や多環芳香族炭化水素やダイオキシン、酸化鉄などの重金属微粒子などの微粒子が含まれます。これらの大気汚染物質は空気中を浮遊しているため毎日皮膚に付着しています。これら大気汚染微粒子は皮膚に付着すると空気中の酸素や紫外線のエネルギーで活性酸素を出し皮膚を老化させ乾燥させていきます[3][4]。
【参考文献 】
- Effects of air pollution on the skin: A review. Puri P et al., Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2017 Jul-Aug;83(4):415-423. doi: 10.4103/0378-6323.199579.
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Skin aging and dry skin. Hashizume H. J Dermatol. 2004 Aug;31(8):603-9.