タバコ（喫煙）は健康に悪いと箱に書いていますしガンになる可能性があるとも聞いたことがあるでしょう。では肌の老化症状であるハリの衰えなどはたばこで加速するのでしょうか？結論から言うとタバコ（喫煙）は肌を老化させます[1][2]。この記事ではなぜタバコが肌を年齢以上に老化させシワやたるみを増やすのか医学論文を参照しながら考察していきたいと思います。
タバコは周囲の人の肌も年齢以上に老化させる
まず、タバコの害で一番気をつけなければならないのが吸っている本人よりも周囲の子供や同僚などに対する害です。タバコを吸っている本人はフィルターで多くの有害物質を取り除くことができますがタバコの煙（副流煙）は濃厚な毒物をまき散らしているのです。タバコの煙に含まれるニコチンやダイオキシンその他の毒物は体内で活性酸素を発生させるため皮膚の細胞のＤＮＡを酸化して機能低下や細胞分裂の停止などの老化を引き起こします。子供は特に幹細胞にＤＮＡダメージが蓄積し残るとその後の人生ではより一層の老化対策が必要になるため成長期の子供や赤ちゃんや子供がいるところでは特に気を付けましょう。
数年の喫煙でも肌の老化が加速する
タバコを吸う期間が短ければ短いほど肌を老化させないため年齢以上に老化しないですみますので早めに禁煙した方が肌のアンチエイジングにはいいでしょう。とはいえ、タバコの害は一時期吸っていたとしても肌の老化は避けられず、たとえ5年間の喫煙でも肌のエイジング（老化）を加速する効果があります[3]。ですので40歳で喫煙している人はかなり長い喫煙歴があるでしょうからかなり肌の老化が進んでいると考えられますし、今からやめるには相当のモチベーションが必要になります。ある調査では40歳で喫煙している人の肌は70歳の人の肌に似ているとの調査結果もあります[1]。
タバコは肌の血流を低下させる
喫煙習慣の原因であるニコチンには血管を収縮させる作用があり、長年吸っていると肌の血流も低下してしまいます[4]。血液は肌の細胞にとっても酸素や栄養の供給源であるためニコチン摂取で血行が悪くなると肌のハリやくすみなどが進み年齢以上に見た目の老化が進む原因となっています。自然な老化で加齢とともに皮膚など抹消の血行は悪くなるのにタバコでさらに血行を悪くしていることになります。
電子タバコに変えることで老化速度を抑えることができる
タバコがやめられないという人でそれでも肌の老化はなるべく加速したくないという人は電子タバコ（e-シガレット）は一つの方法です。日本ではニコチン不使用のものも多いですがニコチン中毒はニコチンを渇望するため電子タバコはフレーバーとニコチンを有機溶媒に混ぜて気化したエアロゾルを吸ってニコチンを体内に入れます。ニコチン入りのリキッドでも電子タバコは従来のタバコと比べるとかなり有害物質が減っているため活性酸素や炎症レベルも抑えられます。とはいえ電子タバコも周囲に有害物質をまき散らしますので子供の前で吸わないなどマナーは守っていきたいところです。
【参考文献】
- [Cigarette smoking and its influence on skin aging]. [Article in Polish] Urbańska M et al., Przegl Lek. 2012;69(10):1111-4.
- Smoking and skin aging in identical twins. Doshi DN et al., Arch Dermatol. 2007 Dec;143(12):1543-6.
- Facial changes caused by smoking: a comparison between smoking and nonsmoking identical twins. Okada HC et al., Plast Reconstr Surg. 2013 Nov;132(5):1085-92. doi: 10.1097/PRS.0b013e3182a4c20a.
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