【大気汚染と老化】浮遊している微粒子で肌が老化していく?!

大気汚染物質中の窒素酸化物が『常位胎盤早期剥離』のリスク要因であると九州大学環境発達医学研究センターが2016年12月に公表しました[1]。このように特に都市部や沿岸部で大気汚染がひどく健康や美容面から社会問題にもなっているおり、この記事では大気汚染で肌のエイジング(老化)が加速するか医学論文を参照しながら検証してみたいと思います。

光化学オキシダントによるエイジング

都市部の湾岸エリアの大気汚染が目立つのは交通量が多く工場も立ち並ぶエリアだからです。環境省が大気汚染の状況をリアルタイムで出していますので参考まで。有害な大気汚染物質として知られる窒素酸化物や重金属酸化物、多環芳香族炭化水素などの微粒子は肌に付着したり口から体内に入り酸化を促進してエイジング(老化)を加速させます。

大気汚染では光化学オキシダントPM2.5などがその活性酸素の発生源です。光化学オキシダントは先ほど述べた大気汚染物質が紫外線エネルギーで変化して活性酸素を増やす物質(酸化剤)のことです。光化学オキシダントで有名なのはオゾンです。歯周病治療でも殺菌目的でオゾン水を使用することもあるぐらい活性酸素を出します。自動車や船舶の排気ガスや工場の排煙は金属酸化物や窒素酸化物(NO, NO₂)を排出しますので太陽の紫外線を浴びると光化学オキシダントが発生するだけでなく、金属酸化物の微粒子自体が紫外線で分解されて活性酸素が発生します。特に顔や手は普段でも服に覆われていないで露出している場合が多いため他の部位よりも大気汚染物質による酸化の影響を受けやすいと言えます。そして活性酸素が肌の老化の主な原因ですので大気汚染物質にさらされるほど年齢以上に肌も老化していくと考えられます。

PM2.5によるエイジング

PM2.5は空気中に漂う粒子のうち2.5μm(マイクロメートル)以下の大きさの微粒子を指します。小さい粒子のほうが健康への影響が大きく肺の奥深くまで到達して気管支に炎症を起こし体内で活性酸素を発生させます。PM2.5も光化学オキシダント同様に排気ガスや排煙に多く含まれておりさきほどの環境省のHPから東京湾岸エリアなどの工場密集地帯と都市部で多く発生していることが分かります。

PM2.5は毛穴などから生きた細胞に入り込む可能性がありますので細胞毒性による活性酸素と炎症[3]の発声により特に毛穴近く(バルジ領域)に存在している肌と髪の毛の幹細胞が老化が加速し、髪の毛や毛穴間の皮膚が薄くなったり乾燥肌になっていくことが考えられます。

一般に大気中の微粒子は遷移金属と呼ばれる鉄やバナジウム、銅、クロムなどを含んでおり電子を放出して陽イオンとなりやすい傾向をもっています。これらの金属が多いとミトコンドリア内で過酸化水素水からヒドロキシラジカルという強い活性酸素が発生します(フェントン反応)。女性は男性と比べて体内に鉄が少ないですがこれも女性のほうが長生きできる理由と考える人もいるくらいです。発生した活性酸素によりDNAが傷つけられると修復されますが修復エラーも起こり機能が劣化していきます。例えばコラーゲン繊維を作っている繊維芽細胞のDNAにエラーが生じるとコラーゲン繊維の合成が低下したりアポトーシス(細胞の自己死滅)して細胞数が減っていきます。毛穴などから浸透した場合は真皮に容易に到達しますので先ほど述べたバルジ領域や基底膜上の上皮や真皮の幹細胞にDNAの傷ができると細胞分裂が永久に停止して老化細胞が増えることが考えられます。また、大気中の微粒子は活性酸素を発生させコラーゲン繊維を減らす『MMP』を増やし[2]シワや毛穴の目立ちなど老化の原因になります。

洗顔で微粒子・排気ガス成分をしっかり落とし、ビタミンC誘導体などの抗酸化成分でエイジングケア

PM2.5や排気ガスなどの環境ストレスは都会に住んでいると避けられないものですので一日の終わりには汚れを洗顔で落とすことは年齢以上の老化を加速させないために大切なスキンケアです。これら排気ガス中の汚染物質は油性ですので石鹸ベースの洗顔フォームできれいに落ちます。一方、ラウリル硫酸ナトリウムなどの合成界面活性剤でできた洗顔フォームは角質のバリアを壊し肌のターンオーバーを遅らせたり毛穴が目立ってきたり肌の老化を加速しますのでやめていくことが肌のエイジングケアに重要です。また外出時にはこれらの大気中の微粒子による活性酸素を消去する[2]ためにビタミンC誘導体やビタミンE誘導体の配合された美容液を化粧下地に使うことも大気汚染による肌の老化対策になります。

【参考文献】

  1.  大気汚染が常位胎盤早期剥離に関連することが明らかに 九州大学環境発達医学研究センター
  2. Air pollution and skin diseases: Adverse effects of airborne particulate matter on various skin diseases. Kim KE et al., Life Sci. 2016 May 1;152:126-34. doi: 10.1016/j.lfs.2016.03.039. Epub 2016 Mar 25.

  3. Particulate matter 2.5 regulates lipid synthesis and inflammatory cytokine production in human SZ95 sebocytes. Liu Q et al., Int J Mol Med. 2017 Oct;40(4):1029-1036. doi: 10.3892/ijmm.2017.3109. Epub 2017 Aug 25.

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