保湿とともにビタミンCを肌に補給してシワ対策を

顔の老化の分かりやすい変化の一つにシワがあります。シワを改善する効果がある成分はいくつもありますが、今回の記事では保湿だけでなくビタミンCがシワ対策になるかどうかを医学論文を参照しながら考察してみたいと思います。

シワができる原因

シワには浅いシワと深いシワがあります。法令線などの深いしわは表情筋までくいこんでいるため基礎化粧品などで皮膚だけにアプローチする方法では深いシワの改善は難しいでしょう。一方、浅いシワは乾燥したリンゴにたとえられます。つまり、リンゴの果肉が水分を失ってしぼんでしまうと皮にもシワができるという例えです。皮膚が乾燥して水分がなくなり、しぼんでしまうと皮膚に浅いシワが現れます。また、老化で細胞分裂が少なくなることでターンオーバーが遅くなって上皮の厚みが薄くなっていることも浅いシワの原因です。この上皮の細胞を増やす効果があるエイジングケア化粧品成分で有名なものにビタミンA誘導体(レチノール、レチノイド)があります。

皮膚バリアの低下や季節的に乾燥して皮膚内部の水分が不足してくると水分で膨張する真皮内のヒアルロン酸やグリコサミノグリカンなどもしぼんでハリが無くなってしまいますし、上皮細胞もうまく機能しなくなりますので上皮の厚みも減ってシワが増えてきます。そのため、シワ対策にはまず内部の水分が逃げないように保湿をすることが有効です。保湿が完了したら次は真皮にあるコラーゲン繊維の量をふやすことでもハリが生まれシワ対策になりますので、浅いシワを改善するにはまず保湿して同時に真皮のコラーゲン繊維を増やすようなエイジングケアが有効です。

シワ改善にビタミンCやビタミンC誘導体が有効

真皮の線維芽細胞にビタミンC(アスコルビン酸)を供給するとコラーゲン繊維を増やす作用があるためハリが回復しシワ対策になります。ところが加齢による自然な老化や日光老化などで皮膚中のビタミンC量が減ってしまったり[3]、角質層が最も大気汚染物質や紫外線にさらされやすいため抗酸化剤であるビタミンCが他の部位よりも減っている状態になっています[4]。そこでビタミンCの補給がエイジングケアに有効になるのですが、野菜やサプリなどでビタミンCを直接食べたり飲んでもいいですし、ビタミンC誘導体美容液を肌に塗ってもっともビタミンCが必要とされている皮膚表層から直接浸透させてもいいです。ただし、皮膚から浸透させる場合に注意してほしいのは純粋なビタミンCを塗ってもビタミンC自体が空気中の酸素で簡単に酸化されてしまいますので逆に肌に活性酸素を増やし肌のエイジング(老化)を加速させてしまいます。よくある化粧品の広告にレモンやライムの輪切りを目や顔に張り付けてビタミンC吸収させているものがありますが、すぐに空気中の酸素で酸化されますのでエイジングケアの観点からは老化したくなかったら真似しないほうがいいです。ですので酸化しにくいビタミンCを化粧品で使いたかったら『APPS(アプレシエ)』などのビタミンC誘導体の形でを配合しなければならないのです。

ビタミンC誘導体は酸化されにくいというだけでなく、通常のビタミンCは水溶性で皮膚からはあまり浸透しないのですがAPPSなどのビタミンC誘導体は皮膚から浸透しやすくなっています。ビタミンC誘導体は皮膚内に浸透すると『フォスファターゼ』という酵素で分解されてビタミンCを徐々に放出し活性酸素を消去したりコラーゲン繊維を増やしてシワを改善します[1]。もしビタミンC誘導体美容液を使う際には水溶性の美容液がさらさらで毎日使いやすいのでおすすめです。ビタミンC誘導体配合の乳液やクリームになっている化粧品もありますが乳液やクリームは乳化剤で油分と水分を混ぜ合わせている化粧品で皮膚バリアを低下させるので乳化されていない化粧品の方がエイジングケア化粧品として優れています。

紫外線対策にもビタミンC誘導体を使用してシワが増えるのを予防しよう

加齢による自然な老化以外でシワができる主な原因は紫外線を浴びて活性酸素の発生と炎症が起き、さらに『MMP』というコラーゲン繊維を切ってしまう物質が増えるためコラーゲン繊維が減りシワが増える『日光老化』です。そのためシワ予防には紫外線に注意することが大切です。紫外線を浴び日焼けして炎症が起こると免疫細胞の好中球が血管から遊走してきて『エラスターゼ』というコラーゲン繊維と弾性繊維の両方を切っていく酵素も増えますので一層シワやたるみが増えていきます。

紫外線による活性酸素と炎症を予防するための対策にはさまざまありますが、まず紫外線を浴びないよう日傘やフェイスカバーなどで物理的に紫外線をシャットアウトしてしまうことです。もし仕事の都合上、日傘をさせない場合には先ほども述べたビタミンC誘導体入りの美容液を外出する前に塗ることでも紫外線対策になりますし、紫外線が対策としてさらに望ましいのは『ビタミンE誘導体』も配合された美容液でビタミンEの分子構造が紫外線を吸収し抗酸化作用があるので外出前のシワ対策に使いましょう[2]。また、ビタミンCとビタミンEは互いに還元しあう『レドックス(Redox)』作用をもっているため単独で使用するより抗酸化力が高くなります。

紫外線対策として一般に使われているのが日焼け止めクリームや乳液ですが、紫外線散乱剤として使われている酸化亜鉛や二酸化チタンは紫外線照射で活性酸素を増やしますし、ナノ化されている場合には皮膚内に浸透する確率が高くなり皺が増えますのでエイジングケアの観点からは日焼け止めクリームは最終手段とした方がよいでしょう。

大事なことなので再度述べますが、乳化されたクリームや乳液などの乳化化粧品(エマルジョン)は肌バリアを壊して弱めますので、日焼け止めに配合された酸化金属微粒子が皮膚内に浸透するリスクをさらに高くしています。ですので、紫外線対策はまず日傘や帽子、フェイスカバーなどで紫外線をカットして次にビタミンC誘導体やビタミンE誘導体などの基礎化粧品の使用、野菜やサプリからビタミンCをたっぷり摂取することで紫外線対策とすることをエイジングケアの観点からはおすすめします。日差しが強烈な海水浴などでどうしても日焼け止めクリームを使わなければならない場合には、活性酸素源である酸化亜鉛や二酸化チタンが皮膚内に浸透しにくくするためにまず下地にビタミンC誘導体を塗ってからの日焼け止めクリームの使用をおすすめします。

【参考文献 】

  1. Effects of palmitoyl-KVK-L-ascorbic acid on skin wrinkles and pigmentation. Kim HM et al., Arch Dermatol Res. 2017 Mar 16. 

  2. Wrinkle reduction in post-menopausal women consuming a novel oral supplement: a double-blind placebo-controlled randomized study. Jenkins G et al., Int J Cosmet Sci. 2014 Feb;36(1):22-31. 

  3. Aging- and photoaging-dependent changes of enzymic and nonenzymic antioxidants in the epidermis and dermis of human skin in vivo. Rhie G et al., J Invest Dermatol. 2001 Nov;117(5):1212-7.

  4. Vitamin C, uric acid, and glutathione gradients in murine stratum corneum and their susceptibility to ozone exposure. Weber SU et al., J Invest Dermatol. 1999 Dec;113(6):1128-32.

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