敏感肌に優しいクレンジング剤の選び方と使い方

敏感肌の女性は意外と多くアジア人の約半数の方が敏感肌で、化粧品など様々な製品に対して刺激を感じやすいのです[1]。敏感肌の人にとって身の周りの刺激物にはメイク落としに使うクレンジング剤やシャンプーなど化粧品だけではありません。紫外線(UV)や熱、寒さ、大気中の汚染物質に至るまで痒みや痛みを含む異常な感覚反応がありますが、皮膚には発赤など目立った炎症がみられないのが特徴です[3]。

敏感肌とはどのような肌質なのか?

敏感肌の皮膚は不明な点が多いですが、医学論文では角質層のバリア機能が弱くなっていることが指摘されています。肌のバリア機能が低下すると、異物や温度刺激などが伝わりやすくなるため、さまざまなものに対する『感覚神経が敏感になっている』ことが一因とされています[2]。

敏感肌の皮膚は先ほど述べたように角質バリア機能が低下しているため保湿機能も低下しており角質の天然保湿因子(NMF)の一つPCAが少なく[2][4]、細胞間脂質の主な因子であるセラミドも少なくなっています[6]。つまり、敏感肌の人の肌は異物や細菌など本来皮膚バリアが正常に機能していれば皮膚内に浸透することがない物質まで皮膚内に入り込んでくるため敏感に反応することが考えられます。

乾燥肌の人の皮膚は『ブレオマイシンヒドロラーゼ(BH)』という酵素活性が低くなっていますが敏感肌の皮膚でも同様にBH酵素が少なくなっていることが知られています[2][4]。また、敏感肌の皮膚では角質細胞の正常に成熟するために必要な『トランスグルタミナーゼ(TG)』の活性が低く小さく未熟な角質細胞が多く角質層が薄いのが特徴で[2][5]、敏感肌の皮膚構造は正常な角質層や上皮層になっていないことがわかります。このように敏感肌の方の皮膚は角質細胞が未成熟で薄いためバリアが正常に機能せず大気汚染物質やクレンジング剤などの化粧品成分が浸透しやすく簡単に刺激になってしまうのです。

敏感肌用のクレンジング剤の選び方

合成界面活性剤フリー

敏感肌の人は角質層が薄く皮膚バリア機能が低下していることを考えると合成界面活性剤の使用でさらに角質バリアを弱くする[7]のはやめた方がいいです。合成界面活性剤はシャワーで洗い流しても界面活性作用が失われず皮膚を溶かし続けて毎日の使用で乾燥肌になるからです。ですので敏感肌の方のクレンジングや洗顔には水道水に含まれるミネラルで界面活性作用が失われ汚れだけを落とせる肌に優しい石けんでできた洗顔フォームを使うべきです。

同様に乳化化粧品(エマルジョン)も敏感肌の人は避けた方が無難です。クリームや乳液は皮膚から浸透しやすくなっているため普通の肌の人より刺激を感じやすいからです。

ホホバオイルを使う

では石鹸では落ちにくいウォータープルーフの口紅やマスカラは敏感肌の方はメイク落としに何を使えばいいのでしょう?ウォータープルーフのメイクは油に溶けますのでホバオイルでクレンジングが可能です。ホホバオイルの主成分であるワックスエステルは無色無臭透明であり飽和脂肪酸でできているため酸化しにくく敏感肌の肌にも老化の原因である炎症や活性酸素を増やすことなくクレンジングできます。

合成防腐剤フリー

さらに敏感肌のクレンジング剤には合成防腐剤フリーのものがおすすめです。理由はパラベンやフェノキシエタノールといった合成防腐剤自体が化粧品成分の中ではアレルギー性が高く刺激物になる可能性が比較的高いことや、角質層が薄く未熟な状態では善玉菌の『表皮ブドウ球菌』と連絡して皮膚が分泌する抗生物質の免疫機能が弱くなっているため悪玉菌『黄色ブドウ球菌』の繁殖による刺激が懸念されるためです。化粧品やハンドソープなどで日常的にパラベンやトリクロサンなどの防腐剤・抗菌剤を使用していると皮膚に住んでいる黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が自らのDNAを変化させてより危険度の高い菌に変質することも報告されていますのでなるべく乳酸菌などが生み出すバクテリオシンを使って防腐された化粧品を選ぶことも選択肢だと思います。

ナノ化粧品を避ける

また、皮膚バリア機能が低下しているということはナノ化された化粧品類が容易に浸透し刺激を与え、皮膚内のランゲルハンス細胞に補足されて免疫系に影響を与えるリスクもありますので特に敏感肌の人は日焼け止めをはじめとしたナノ化化粧品は避けた方が無難でしょう。

敏感肌の人のためのクレンジング・洗顔法

敏感肌の皮膚は熱にも刺激を感じるため、ぬるま湯で洗い流すことです。洗い流すときにはゴシゴシこするのではなく泡洗顔フォームで手のひらに泡を作り、密着させたり離したりしながら30秒から60秒程度クレンジングするだけでウォータープルーフ以外のメイクなら落ちていきます。洗顔石けんフォームはメイク落とし用に開発されたものもありますし、合成防腐剤や香料、合成着色料など無添加のものがあるので敏感肌の方のクレンジング剤としておすすめです。

クレンジングした後は保湿です。敏感肌の皮膚は角質バリア機能が弱くなっているため乾燥しやすく保湿が大切になります。保湿液は酸化しにい成分で人間の皮膚に本来ある保湿成分、例えばホホバオイル成分の天然ワックスや天然保湿因子(NMF)などでできた保湿液がおすすめです。

【参考文献 】

  1. Epidemiology of “fragile skin”: results from a survey of different skin types. Haftek M et al., Clin Cosmet Investig Dermatol. 2013 Dec 2;6:289-94. doi: 10.2147/CCID.S55223. eCollection 2013.

  2. A fundamental investigation into aspects of the physiology and biochemistry of the stratum corneum in subjects with sensitive skin. Raj N et al., Int J Cosmet Sci. 2017 Feb;39(1):2-10. doi: 10.1111/ics.12334. Epub 2016 May 25.

  3. Skin dryness in apparently healthy human skin is associated with decreased expression of bleomycin hydrolase in the stratum corneum. Son ED et al., Clin Exp Dermatol. 2015 Apr;40(3):247-53. doi: 10.1111/ced.12520. Epub 2014 Dec 11.

  4. 名古屋大学細胞生化学研究室 http://www.ps.nagoya-u.ac.jp/lab_pages/biochemistry/research.html
  5. Quantitative study of stratum corneum ceramides contents in patients with sensitive skin. Cho HJ et al., J Dermatol. 2012 Mar;39(3):295-300. doi: 10.1111/j.1346-8138.2011.01406.x. Epub 2011 Oct 31.

  6. Skin barrier disruption by sodium lauryl sulfate-exposure alters the expressions of involucrin, transglutaminase 1, profilaggrin, and kallikreins during the repair phase in human skin in vivo. Törmä H et al., J Invest Dermatol. 2008 May;128(5):1212-9. Epub 2007 Nov 15.

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